これまで３5年間「子どもの人権保障」をキーワードに保育教育に携わってまいりました。子どもたちの成長発達に力を注ぐことに喜びを感じ、共に過ごすことで元気をもらっていました。生まれて間もない子どもたちの可能性に、どのような保育を提供することが効果的なのか、また子ども自身が目をキラキラさせて取り組むことは何か、日々そのようなことに意識を集中させてきました。

多くの子どもと出会い関わる中で、子どもが家庭の影響を受けているという事例を多く見てきました。親の気分に振り回されている子どもや、食事を満足に与えられていない子ども、また父母の不仲に心を傷める子どももいました。これらの家庭にはそれぞれの事情はあったものの、それまでの親の生育環境や社会の中の差別的なことと深く関わっている「生きにくさ」に起因しているということがありました。それを見過ごすことができず、子どもの人権を守るための保育の研究と実践を進めていきました

ある年、生活は安定しているけれど、体のバランスがよくないことや自己コントロールができないことで、思いはあっても仲間とつながることができない子どもに出会いました。そしてその子どもとの出会いがきっかけとなり、姿勢について研究するようになりました。姿勢が脳や内臓疾患、ストレスと関わっていることに気づき、幼い子どものうちから、また大人になってからも、健康的な生活のために、姿勢を大切にしていくことの重要性を訴え続けています。現在は発達にデコボコがある子どもも多く、その育児で疲弊している保護者にも出会います。育てにくさを持つお子さんの育児について、これまでの私自身が持つ経験とノウハウを活かしたペアレントトレーニング、親コーチングなどもひとつの形にしていきたいと考えております。そして、近年児童虐待に関わる仕事に携わり、現在社会の中に児童虐待が大きな課題として存在することに直面し、母の笑顔と子どもの命を守ることがこれからの私の使命と感じています。虐待のない子育て、差別やいじめのない社会の実現を目指して、今後も活動を続けてまいります。

株式会社AMECK
CEO　谷 佳保里